2018年6月11日月曜日

地元を思い出して。

久しぶりの更新となってしまいました。
書こう書こうと思いつつ、時間はあるはずなのに、日々に追われなかなかパソコンと向き合えない日が続いてました。

すっかり遅くなってしまったのですが、
先月号のJALの機内誌 SKYWARDと、今月号のSKYWARDは国際版にて、(英語版)
取材に行かせていただいた川越の記事が掲載中です。
どうぞ飛行機に乗る機会がある方、ぜひ座席前方ポケットの方に手をお伸ばしくださいませ。




もともと私は程なく埼玉に近い東京育ちだった。
最寄駅から20分くらい電車に乗れば川越には行ける。
にもかかわらず、今回生まれて初めて川越を訪れた。
大学生の頃はこんなに近くに古きよき時代を感じる街があったにもかかわらず、
ドライブがてら風情を求めに出かけるのはもっぱら鎌倉に。
ちょっと残念だ。
なんでだろう。すんごく素敵な街で、もっと前からずっと楽しみたかったよ。
なんだよ〜って叫ぶような。そんな川越との出会いだった。

まぁでも、少し大人になった今だからもしかしたら余計に楽しかったのかもしれないけれども。コエドビールや、美味しい川越のお醤油の香りも、そして絶品のうなぎも、この歳だから、感じれるのかもしれない。いつかを思いだしながら菓子屋横丁も楽しんだり。

遠くばかり見ていて近くの素敵なものが見えないようではいけないなと改めて思ったものである。まだ知らない場所がたくさんあるんだなぁ。
そして消えて欲しくない風景がここにも広がっていた。






またまた地元の話で。
この週末に初めて、東京都薬用植物園に行った。
新しい作品を製作中で、そのヒントのかけらを集めに。

 こちらはディルの花。
こちらはコリアンダーの白い花。風に揺られ、綺麗に咲き乱れていた。

アスパラの繊細な葉もゆらゆら風に気持ちよさそうに揺れていた。



実家から車で20分ほどのところにあるそこに、青春時代を過ごした高校の近くをわざと通って向かった。道を通るだけで、当時自転車で通っていた自分が見ていた視点と重なり、高鳴る胸の鼓動を抑えるのに必死だった。
幼少期を別なところで育ったせいか、小学生、中学生、どこかしっくりこない毎日を過ごし、そのままぼんやり、高校生活も送っていたつもりだった。楽しかったかと言われると、それなりには楽しかったけれど、すごい充実したキラキラの毎日を送っていたわけでもなかった。なんだかぼーっと受動的に過ごした3年間だった気もした。それでもこの高鳴りはなんだろう。
しっくりこない、こないと、大学を卒業すると逃げるように地元を出た。
きっと、もやもや抱えていたことを何かのせいにしたかった。そう、地元のせいにしたかったんだ。愚かなことをしたもんだ。
甘酸っぱい素敵な思い出がたくさん浮かぶと余計に胸を締め付けられた気がした。
こうやって自分の心を解放して、素直に自分を受け入れる、そんな時間ができたことをなんだか嬉しく思った。そう、やっぱり捨てたもんじゃなくって、もうあの時には戻れないけど、通ったこの通学をには思い出せないくらいたくさんの私の物語があったんだな。
薬用植物園にはまた通うだろう。
その時はやっぱり遠回りをしてこの道をゆっくりと通うんだろうな。

なんて。
なんだかすごく地元を大事に思う最近。
単純に歳をとったということがこういうことなのかもしれない。